学生相談室

インターネットや携帯電話への依存について考える

インターネットや携帯電話への依存について考える―― 
 社会の急速なIT化は、生活を便利で快適なものにしてくれる反面、不適切な使用によって人間の「こころ」と「からだ」に大きな弊害をもたらしている部分があります。

テクノストレス症候群…米国の心理学者ブロードが1984年に提唱。以下の2つに分けられます。
  テクノ依存症 コンピュータ以外のことや人間社会への興味を失い、仕事の目的ではないのにコンピュータに異常に長い時間を費やすようになりやめられなくなる。だんだんコンピュータの中で空想的な自己万能感を抱くようになり、周囲の人を見下したりして、他者との協調性が失われていく場合もある。
  テクノ不安症 コンピュータ使用への苦手意識から抵抗感や嫌悪感を抱いたり、長時間の操作によりイライラ感(不安焦燥感)、無気力感、気分の落ち込みなどを感じ、心身の消耗を招いたりする。

 小此木啓吾(おこのぎけいご)氏は、携帯やネットへの依存が高まってきた背景として、現代の若者を象徴する五つの心理を指摘しています。
①現実社会では自信がなくても、インターネットの中では匿名で別の人格を演じることができる。
②インターネットから得られる巨大な情報は無限の知的好奇心を満たし、ある種の全能感が湧き起こる。
③自分が傷つくことなく、気持ちを純粋に相手に伝えられる。
④自分の過去を知らない新しい友達と親密な一体感がもてる。
⑤現実の人間社会と異なり、義務や責任が伴わないので、嫌になったらいつでもやめられる。

 最近は、寂しさを紛らわすために始めたチャットや出会い系サイトなどから、犯罪に巻き込まれるケースも増えています。また、テレビゲームや携帯メールが、子どもの脳やこころの発達に悪影響をもたらすという指摘もあります(例:注意力や思考力・判断力の低下、コミュニケーション力の低下、攻撃的・自己中心的な行動など)。携帯やネットへの過度の依存から抜け出すには、それに代わる健康的なストレス発散法(スポーツ、遊びなど)を見つけることや、友達と直接会って話をする機会を増やすことなどが有効とされています。
 時には人と関わることがおっくうになったり、人間関係がさまざまな悩みや葛藤を生じさせたりすることもあるでしょう。しかしながら、人は人との出会いを通じて自分を知り、多様な視点を吸収し、成長していきます。日常生活の中で時々は、自分が携帯やネットの世界に心を奪われすぎてはいないか、現実逃避の手段として過度に使用していないか、など振り返りながら、IT社会とよりよいお付き合いをしていけたらいいですね!


                       引用・参考文献 星野仁彦 気づいて!こどもの心のSOS VOICE 2006
学校法人山口学園 ECCアーティスト専門学校 学生相談室カウンセラー 本村暁子