2008年08月アーカイブ

希望のリズム

 みなさま、こんにちは。センタースタッフの藤本です。雨の量や強弱をあらわす日本語はたくさんあります。豪雨、村雨(むらさめ)、小糠雨(こぬかあめ)、涙雨などなど・・・。最近よく耳にするようになったのが、「ゲリラ豪雨」というものです。局地的な大雨の被害のニュースなどで、連呼されていますが、なんとも物騒な呼び名が定着しそうです。個人的には雨景色はすきなのですが、これだけ各地で被害が出てくると、そんなのんきなことは言ってられません。一体全体、このところの雨のふりかたはどうなっているのでしょう?みなさんも、河川付近でレジャーを楽しんだりする際は、一気に水位が上昇するおそれがありますので、くれぐれもご注意ください。

 

 話はガラッと変わって、今回は(も?)映画のお話。以前も「おいしいコーヒーの真実」という映画のお話をさせていただきましたが、今回もドキュメンタリー映画をご紹介させていただきます。宣伝媒体だけを頼りに以前も紹介のブログを書きましたが、今回は実際に観た感想を。その映画は「ファベーラの丘」という映画です。ファベーラとは、ブラジルの各地に存在する、丘陵地帯を(結果として)不法占拠した人々が生活を営むスラム街のことです(不法占拠にいたる経緯は映画のHPでご覧ください)。ファベーラの子どもたちの夢はギャングのボスになること。どうしてでしょう?麻薬と暴力が支配する環境では無理もないことなのかもしれません。治安を守るはずの警察さえも腐敗がはびこり、信頼を寄せることもできませんし、政府さえも、これらのスラム街に目を背け、なんら有効な対策を講じようとしないのですから。そんな過酷な状況のもと、ひとりの市井の人間が、音楽のチカラで人々が人間らしい生活をおくれる社会を築き上げるため立ち上がります。

 

 この映画では、本当に命がけの撮影といっていいほどのショッキングな映像がところどころ挿入されており、暴力や麻薬に焦点を当てたダークな面と、音楽やダンスを心から愛する、笑顔をたたえた人々の明るい面のコントラストが、強烈なインパクトとなって、スクリーンからすさまじいパワーを放っています。この映画の主人公である、アルデルソン・サーが結成した「アフロレゲエ」というバンドのライブ映像も圧倒的な迫力ですが、特筆すべきは、小学校などで催される音楽の「ワークショップ」の場面です。子どもたちが、一糸乱れず奏でるパーカッションのリズムが、この映画を明るい未来を予感させる希望あふれるものにしています。そして本当におどろくべきは、アフロレゲエが活動を始めてからの、犯罪率の低下や、ギャングの構成員の減少といった目に見える形で現れだした効果です。まさに奇跡と呼ぶにふさわしい事実に、人間の偉大さを見たような気がします。

 

 最後にアルデルソン・サーの言葉を引用して終わります。

 

 「希望を決して失うな!希望を信じて力を合わせよう!トンネルの先には、かならず光がある!」

 

 “映画『ファベーラの丘』HP”より抜粋

 

 

「おいしいコーヒーの真実」を観ました。

 こんにちは。センタースタッフの藤本です。

 

 とある休日、梅田へ出かけるために、最寄のバス停からバスに乗りこみました。わたしの斜め前方の座席に十三から乗り込んでこられた二人の女性が腰をおろしました。お二人の会話から「フェアトレード」「コーヒー」といったことばが耳に入ってきました。そこでピーンときました。どうやら、十三の映画館で上映されている「おいしいコーヒーの真実」という映画を観た感想を話し合われているようでした。あまり行儀のよいことではないとおもいながらも、つい聞き耳をたててしまいました。わざわざバスや電車を乗りついでまで「コーヒーの真実」を求めて足を運ばれた、お二人はこの映画をどのように感じられたのか、興味津々でしたが、断片的な会話の内容しか聞こえず、もどかしくもありましたが、この映画への興味が自分の中で、膨らんでくるのをかんじました。

 

 “お二人のように遠方から足を伸ばしてこの映画を鑑賞なされる方もいるのに、住み慣れた街で上映しているこの映画を観ないのはどうなのよ”といったことでもなく、純粋に観たかったということと、上映後に映画に関するセミナーに参加したかったこともあり、映画館に足を運びました。土曜日ということもあったのかもしれませんが、すでにロビーではチケットを求める人が行列をなしていて、熱気がロビーに充満しているという感じがしました。

 

 肝心の映画ですが、コーヒーの発祥地といわれるエチオピアのコーヒーの生産にたずさわる人々の生活の苦しさと、世界の最貧国のひとつでエチオピアという国の現状を映し出し、世界が考えるべき貿易の問題点をあぶりだし、その不公正さを自白のもとにさらすドキュメンタリーであり、貧困にあえぐコーヒー農家の現状をすこしでも改善させようと、コーヒー農協連合の代表として奮闘する、バイタリティと大局的な戦略を兼ね備えた、非常に人間的魅力にあふれた、ひとりの人間の戦いの記録でもありました。

 

 最後にセミナーですが、なんと500円の参加費で、コーヒー(もちろんフェアトレードのコーヒー)がおかわり自由でバナナのシフォンケーキつき。それに加えて非常に興味深いお話をじっくり聴くこともできて大満足の内容でした。どれだけ多くの消費者が、商品を選択する基準として「生産者の生活を改善することができる」ということに価値を見出してくれるかがポイントになるというお話しがあり、そのためには、より多くの人がこの問題について知る機会を持つことが重要だとおもいました。そのためにも、ひとりでも多くの人がこの映画を観て、バスで出会ったお二人のように話し合ったり、感じたことを誰かに伝えたりする機会をたくさんもっていただければとおもいます。

 

音楽のチカラ。

 太陽がヂリヂリ、アスファルトを照りつけて、上下からの熱にさらされ、さながらオーブントースターの中に放り込まれたような暑さを感じる毎日です。ちょっと大げさかな。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。センタースタッフの藤本です。今回は音楽のお話。

 

 ある休日。寝床から身体を半身起こして、昨日の決意を思いおこします。“明日こそ、掃除をするぞ”。でも、身体が動きません。いや、心が動きません。“今日でなくてもいいか。テヘッ”てなもんです。しかし、この部屋の惨状を見過ごすのは、あんまりなんじゃないかと思い直して、CDラックをさぐり、お気に入りの一枚を選び、プレイボタンをポチッ。するとどうでしょう。あれだけ重かった腰がすこし軽くなったような気がしてくるではありませんか。そして、掃除にとりかかるわけです。

 

 このように、私にとっての音楽はエンジンのスターターの役割をしてくれるのです。これは私にとっての音楽のチカラの一部にすぎません。落ち込んだとき、逆にたかぶった気持ちを落ち着かせたいときなどにも、音楽のありがたさを感じます。

 

 「音楽は社会にも影響をおよぼすんだ。社会を変えることができるんだ」。こんな話を聞くと、どうでしょうか。現実離れした「おとぎ話」のような感じをうけないでしょうか。私は、音楽にそこまで期待するのはちょっと・・・と思ってしまいます。確かに、音楽を通してメッセージを発し続けたジョン・レノンが、ときの政府にその影響力を恐れられたとういう事実をかんがみると、あながち「おとぎ話」といえないのかもしれませんが。

 

 その音楽をエンターテイメントのツールとしてだけでなく、現実に立ち向かうツールとしても活用し、社会を変えようとする人間がいます。アルデルソン・サーその人です。麻薬や暴力、腐敗した警察が支配する“ファベーラ”と呼ばれるブラジルのリオデジャネイロのスラム街。家族や友人をギャングや警察に殺されたアルデルソンは、子どもたちが希望ある未来を築くために社会を変革すべく音楽とダンスを武器に立ち上がります。そのアルデルソンと仲間たちの戦いを追ったドキュメンタリー映画「ファベーラの丘」が来週の土曜日8月9日より公開されます。映画の中で、音楽が持つチカラをどのように見せてくれるのか、そして私の音楽に対する信頼を、この映画を通してより強固なものにすることができるのか。ぜひ、劇場に足を運んで確かめたいと思っています。