メイクとハンドマッサージ。
今回お年寄りの方々を対象にしたメイクボランティアを行うのは、ECCアーティスト美容専門学校ビューティアドバイザーコースの2年生。お揃いのスーツに身を包み、大阪・桜ノ宮の介護付き有料老人ホーム「エトナ大川端」にやってきました。
学生たち3~4名が1チームとなり、メイクから始まりハンドマッサージまでをワンセットとして施術をします。普段の生活ではあまり触れ合うことのないご年配の方々をお迎えし、学生たちのコミュニケーションの力も試されます。
施設を利用する方々の中には、念入りなメイクは久しぶりの方も多く、いろんな形の道具や色とりどりのパレットに興味津々。「いろんな色がありますね」「これはどの部分に使うんですか」と熱心に質問しているシーンもありました。また、近々コーラスの発表会があるという利用者の方は、「若い学生さんたちにお化粧してもらって楽しかった!すごく勉強になったし、発表会当日のお化粧も頑張れそう」と満足げに会場を後にされました。
就職を半年後に控えた学生たち。学校を飛び出し、さらなるスキルアップに励む眼差しは、すでにプロの美容部員そのものでした。
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学生たちは、エトナ大川端のコミュニティースペース「エトナの間」で活動します。こちらでは地域交流の一環として、さまざまなイベントを行っているそう。
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開始と共に利用者さんがやってきました。メイクしていくにつれ、顔がほころんでいく様子に、学生たちもパッと表情が明るくなります。
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お年寄りの方の肌に初めて触れる学生も。力加減に配慮しつつ丁寧に進めます。
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どの色にするか迷っている方には、各色のイメージを伝えたり、さりげなく好きな色を聞くなど、利用者の立場になって一緒に考えます。
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人生の大先輩とのコミュニケーションは、学生にとっても貴重な機会。目いっぱい会話を楽しみます。
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幼少期のエピソードはじめ、仕事をしていた頃の苦労話など、就職を控えた学生たちの心に響く話もありました。
淵上 優さん
ECCアーティスト美容専門学校
ビューティアドバイザーコース 2年
- この活動で難しかったこと
- 普段は同世代に施術することが多く、ご年配の方の肌に触れるのは初めてでした。今日はいつも以上に、言葉遣いに気を付けること、お客様の気持ちに配慮することを心がけました。利用者さんから話かけてくださったので、あまり力むことなく良い状態をキープできたように思います。
メイクのスキルアップは練習あるのみなので、放課後に同級生や先生に付き合ってもらって練習しています。私たちのクラスは本当に仲が良くて、他のクラスには絶対に負けない自信があります(笑)。卒業までの半年は、現場の接客を意識した授業が増えてくるので、とにかく全力で頑張ろうと思います!
島田 百乃さん
ECCアーティスト美容専門学校
ビューティアドバイザーコース 2年
- この活動で心がけていたこと
- 施術中、みるみる笑顔になっていく利用者さんの姿を見て、メイクってこんなにも人をワクワクした気持ちにできるのかと、改めてやりがいを感じる機会になりました。
同年代の方とは違いご年配の方々の肌は柔らかいので、痛くないようにそうっと触れるように気を付けました。緊張していてもきちんと目を見て話そうと思っていたのですが、気さくに話しかけてくれる方が多かったので、知らないうちに自然とできていました。
私はもともと別の職業を目指していたのですが、ある美容系の会社でアルバイトをする機会があり、働いているうちに美容部員もいいなと思い、今の道をこころざしました。実は今内定をいただいている会社が、そのきっかけになったアルバイト先なんです。
このクラスの、このメンバーに出会って、一緒に勉強できて…私はECCに来て本当によかったなって思っています。卒業までの半年間は授業内容を完璧にして、卒業後はお客様にも働いている人にも必要とされる美容部員を目指していきたいです!
今回インタビューさせていただいた淵上さん島田さんともに、「クラス全員が仲良し」と口をそろえておっしゃっていました。会話や施術で困ったことがあると、近くにいる人がすかさずフォローに入ったり、利用者の方を見送った後はフィードバックし合ったりする姿を見て、取材で数時間だけ同席した私もこのクラスのチームワークの良さをひしひしと感じていました。卒業後も、場所は違えどお互いを支え合い高め合いながら、業界全体を盛り上げていくのではないかと思いました。