本物の英語に触れ続ける日々。
「大阪カップ」として広く知られる「国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会」。2020年はイギリス・カナダ・日本の3か国が集まり、2月の中旬に丸善インテックアリーナ大阪で開催されました。
今年もECC国際外語専門学校の学生たちは、大会運営に欠かせない「語学ボランティア」という重要な役割を担います。有志メンバーで構成されたボランティアチームは、来日直後から海外選手のサポート役として、実行委員会と選手との間を言葉の面でつなぎます。それは、ネイティブスピーカーとのリアルな会話が続く、まさにこれ以上に無い実践の場。今回は、大会前に行われた小学生との交流会と、大会最終日の模様をお届けします。
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大会前の交流会が行われた、大正区の北恩加島小学校。もちろんECCのボランティア学生が通訳を務めます。
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まずは、車いす体験からスタート。通訳だけでなく、活発な質問を促して場を盛り上げる役割も果たしました。
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小学生や地域の方々、選手の混合チームでミニゲームも行いました。大正区長もメンバーとしてゲームに参加!
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質問コーナーや記念撮影を行い、無事に交流会が終了。選手が退場するときには、小学生たちが花道を作ってくれました。
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丸善インテックアリーナ大阪メインアリーナでの大会最終日。こちらは、白熱した試合となった日本vsカナダ。
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世界トップレベルの試合を間近で観戦することができるのも、このボランティアの魅力のひとつです。
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運営のプログラムに従って、式辞や挨拶を英訳するのも語学ボランティアの大切な仕事です。
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親善大会とはいえ、選手・コーチ・メカニックにとって、一試合一試合が真剣勝負。それだけに、実行委員会との間をつなぐ学生たちも重要な役割を担います。
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ゲーム後は、報道陣が集まっての記者会見。どんな質問がくるかもわからないので、これまで学んできた語学力を注ぎ込みます。
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矢継ぎ早に聞かれる質問に、頭が真っ白になって固まってしまうことも。悔し涙を流す藤本さんを、みんなが励まします。
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閉会式では北出さんが通訳を担当。会場全体の注目を浴びる中、落ち着いた口調で大役を果たしました。
杉澤 志乃さん
ECC国際外語専門学校
海外インターンシップコース
総合英語専攻 1年
(カナダ担当・短期)
- 小学校での交流会を終えて
- 選手の心と小学生たちの心をどう繋げてあげたらいいか、どう通訳したら会話が盛り上がるのか、ずっと考えながら行動していました。英語では一言でも、日本語にすると具体的な文章で伝えないと細かなニュアンスまで伝わりません。
どんな発言が飛び出すのかわからない中、事前の準備でカバーできないこともあって、本当に難しかったです。テンポよく話さないといけない状況に身を置いて、自分の実力不足を痛感しました。これからもっともっと語学力を上げていきたいと思います。
乃一 みなさん
ECC国際外語専門学校
海外インターンシップコース
総合英語専攻 3年
(カナダ担当・長期)
- 初めての通訳を経験して
- カナダへの留学経験があったので、今回カナダ担当に決まったときはご縁を感じました。
その場ですばやく通訳していく経験は初めてだったので、囲み取材では監督がめちゃくちゃ良いこと言ってるのに、それに適した日本語が出てこなくて悔しかったです。最近のニュースに関した質問も多かったので、もっと目を通しておいたらよかったなと思いました。
ボランティア中は、まさに英語漬けの日々でした。ずっと気を張っているので、観戦中に少しだけ気を緩めることができたぐらいです。「卒業までに何かやりたい」という思いで参加したのですが、こうして大きな経験をすることができて良かったと思います。
藤本 彩花さん
ECC国際外語専門学校
総合英語コース 1年
(イギリス担当・長期)
- このボランティアで難しかったこと
- パニックで頭が真っ白になってしまったり、いつもだとパッと出てくる単語が出てこなくなったり…ボランティア中は打ちのめされるような出来事がたくさんありました。でもその分、相手に伝わったときはすごく嬉しかったです。
私はイギリスチームを担当したので、イギリス英語に耳が慣れるまで時間がかかりました。訛りや発音の違いがあっても聞き取れるようになりたいし、気軽に会話できるくらいの力が欲しい、と強く思いました。
北出 絢乃さん
ECC国際外語専門学校
総合英語コース 1年
(イギリス担当・長期)
- 参加しようと思ったきっかけ
- 入学前のオープンキャンパスでこのボランティアを知って、ずっと参加したいと思っていました。
ボランティア中は英訳と向き合いつつ、チームのスケジュールも管理していたので、部屋に戻ってもご飯を食べている時もずっとONモードでした。語学スキルはもちろんですが、メンタル面もかなり鍛えられたと思います。
世界で戦っている選手たちを間近で見れて大興奮でしたし、選手とは日を追うごとに距離が縮まってきて、冗談交じりで会話したり、好きな音楽の話題で盛り上がったりできたことも嬉しかったです。
山口 真奈さん
大北 祐さん
ECC国際外語専門学校
総合英語コース 1年
(学生スタッフ)
- ボランティアを終えての感想
- 今回は、広報・プレスとしての役割を担当しました。ボランティア学生と取材記者との間をつなぐ存在として、スムーズに取材できるよう現場の調整につとめました。
実は、藤本さんと北出さんはいつも一緒に授業を受けているクラスメイト。学校でもめちゃくちゃ英語が堪能な2人が、更に上を目指してチャレンジしている姿にすごく刺激を受けました。来年は、私もチャレンジできればなと思っています!(大北さん) - 学生スタッフのサブリーダーとして
- 学生スタッフをはじめてからは、本当に良い変化しかありません。
私は10月からサブリーダーとしても活動しています。自分がまとめ役になるなんて思ってもみませんでしたが、リーダーの田中那奈さんの取り組む姿に触発されてやってみることにしました。
学生スタッフのみんなにどう伝えたら響くのか、どうやったらもっと活動が楽しくなるのかを考えて動いているうちに、自分も少しはサブリーダーになれてきたかな、という実感も湧いてきています。(山口さん)
ECC国際外語専門学校の語学ボランティアのみなさんは、この大会運営にとって、なくてはならない存在です。選手の要望を聞いたり、スケジュール管理をしたり、重要な役割である分、やりがいは凄く大きいです。この1週間で選手と仲良くなり、大会後も繋がり続けている方もいるんですよ。
大阪市長居障害者スポーツセンター職員
植田 里美様
昨年は大会当日のみでしたが、今年は北恩加島小学校での交流会も取材させていただきました。 印象的だったのが、交流会の終了際。校長先生が選手に向けて”英語で“感謝の言葉を述べる場面がありました。ボランティア学生は、英語がわからなかった子どもたちのためにすかさず通訳。思わぬところでファインプレーが飛び出していました。