食がつなぐ、人々の輪。
竹村朋子さん(みんなのIBASYOプロジェクト代表)が、子どもがきちんと晩ごはんを食べているか心配ではじめた「こども食堂」。大阪・東成区にある「レンタルスペースしんたに」を拠点に月に2回のペースで行われています。このこども食堂は、地域交流をしながら食事が楽しめるということで、近隣からたくさんの親子連れが集まってきます。ボランティアの役割は、その食堂で提供する料理の調理補助と配膳。竹村さんや他のボランティアの方とのコミュニケーション、食堂にやってきた親子と会話するなど、学生にとっても良い交流の場になっています。今回はこのボランティアがスタートした2017年夏から参加している留学生の蔡さんが活動する現場を訪ねました。
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「こども食堂」が開催される、レンタルスペースしんたに。中ではすでに仕込みが始まっているようです。
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今日の献立は「ぶたまん」「塩やきそば」「中華スープ」「デザート(カステラ)」の4品。チーム全体で確認しながら準備を進めていきます。
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食いしん坊の蔡さんは、毎回料理に興味津々なんだそう。焼きそばを凝視している姿を見て、竹村さんが一言「味見はせんでエエで~」。蔡さん、図星だったようです。
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本日初めてのお客さん。よくこちらを訪れるご家族で、蔡さんもすでに顔なじみ。
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利用者の方や、地域のボランティアスタッフとの密なコミュニケーションができるのも、こども食堂のメリット。食事がみんなの距離を近くしてくれます。
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今日はいつもより利用者が多く、スペース内も一段と賑やか!蔡さんは笑顔で忙しく動き回っていました。
蔡 政勲さん
ECCコンピュータ専門学校
CGデザインコース
- このボランティアをはじめたきっかけ
- 以前から料理に興味があったので、参加することにしました。竹村さんと厨房に立っているときも、ほとんど料理の話をしています。僕は、このこども食堂のボランティアが好きです。1ヶ月に2回しか機会がないので、1回1回の活動をとても大切にしています。これからも継続していきたいと思っています。
- 参加を考えている人に一言
- 竹村さんはじめ、ボランティア同士で会話するタイミングも多くあるので、留学生にとっては日本語を練習することができる良い機会になります。また、食事をしている子どもの反応を間近で見ていると、とても面白い。子どもが好きな方は、ぜひ参加してほしいです。
学生の方には調理と配膳を手伝っていただいており、本当に助かっています。地域に開かれたスペースということもあり、近所の方がふらっと遊びにやってくることもしばしば。地域交流を通して、考え方や価値観のちがいを知っていく機会にしてほしいですね。
竹村朋子様(みんなのIBASYOプロジェクト代表)
今回印象的だったのが、仕込み中の竹村さんと蔡さんの掛け合い。テンポよく、終始楽しそうな雰囲気の中で調理が行われていました。こういった信頼関係を作り上げることができるのは、通年のボランティアならでは。学生にとっても、この「こども食堂」が心の拠り所の一つになっているように感じました。