海外留学のような濃密な1週間。
2月15日~17日、大阪市中央体育館で「国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会」が開催されました。日本・オーストラリア・オランダ・イギリスの4か国が集まり、総当たり戦で勝敗を競います。3日間の大会期間とその前後を合わせた約1週間。各国のチームが大阪に滞在します。ECC国際外語専門学校の学生ボランティア6名の役割は、通訳スタッフとして滞在中の選手をサポートすること。入国時の出迎えにはじまり、大阪の子どもたちとの交流会、3日間の大会期間、出国日まで、活動のすべてに帯同します。このボランティア活動の醍醐味は、なんといっても各チームのメイン通訳スタッフとして活動できるところです。「話す」「聞く」「翻訳する」「意図を汲み取る」など、これ以上ないほど濃く中身が詰まった1週間。本当の意味で実践的な英語力を鍛える場になりました。ある学生はこの経験を経て「性格が変わった」というほど。大会も佳境を迎えた、順位決定戦当日にボランティアたちのもとを伺いました。
-
ゲーム中はベンチの後ろで待機。ベンチスタッフとしても選手にタオルを渡したり、上着を渡したり、語学以外の面でも選手をサポートしていました。
-
これまでの滞在中はずっと行動を共にしてきました。それだけに選手たちと一緒に喜んだり、声援を送ったりと、まさにチームの一員としてゲームの行方を見守ります。
-
ゲームの合間には選手たちと友人同士のようにフランクに話す姿も。しっかりと信頼関係が出来上がっているように感じた瞬間でした。
-
運営スタッフに、選手たちの申し出を伝えることも通訳スタッフの役割です。選手からもスタッフからも頼られる重要な存在です。
-
選手に呼ばれ、すぐにそばに行き用件を聞きます。選手からの要望に真剣にまっすぐに目を見て向き合う姿が印象的でした。
-
閉会式では壇上にあがり、司会の隣で通訳も担当します。司会者の言葉を英語に通訳してアナウンスします。大会はこの日で終わりますが、明日以降も選手たちが帰国するまで通訳スタッフの役割は続きます。
三宅 優華さん
ECC国際外語専門学校
総合英語コース1年
- このボランティアで工夫したこと
- ボランティアに参加するあたり、こちらから心を開いて積極的にコミュニケーションをとっていこうと心がけていました。そのせいか、今では選手たちからどんどん話しかけてきてくれるようになり、頼りにしてもらっているなと実感しています。通訳では独特の言い回しや訛りなどがあったり、聞き取りが難しかったです。ライブ感というか瞬発力が求められるので、頭の中でも英語で考えたり、ボディランゲージを駆使したり、できる限りの工夫でコミュニケーションに臨みました。式辞の翻訳も語学スタッフのチームが担当しました。それぞれの知識を持ち寄って進めていけたので、チームの結束もぐっと増したように思います。
このボランティアは英語が好きな人はもちろんのこと、英語でのコミュニケーションに苦手意識を持っている人は自分を変える機会にもなると思います。日本に居ながら留学しているような体験ができます。こんな機会はめったにないので、チャンスがあればぜひチャレンジしてみてください。
吉田 若那さん
ECC国際外語専門学校
総合英語コース1年
- このボランティアで難しかったこと
- 最初の頃は、選手たちの英語がうまく聞き取れず苦労しました。何をお願いされているのか、どこが重要なポイントなのか分からない時もありました。しかし、何度も会話して、次第に慣れてくるとコツをつかめるようになり、スムーズにコミュニケーションがとれるようになりました。チームに私と同世代の選手がいて「いつからバスケはじめたの?」といった、何気ない会話をきっかけに、お互いに積極的に話せるようになりました。このボランティアは英語を話さなければならない、やるしかないという状態に自分の身を置くことができます。私自身、とても自信がつきました。
通訳スタッフの3人で夜遅くまで式辞の翻訳をしたのは良い思い出です!
渡邊 美樹さん
ECC国際外語専門学校
総合英語コース1年
- このボランティアで学んだこと
- オランダの選手たちの会話は、英語の訛りがとても強いせいか、言葉が聞き取れないシーンが何度もありました。そういった時、紙に書いてもらったりしながら会話を進めました。オランダチームは今回優勝しましたが、スケジュール共有がうまくいかず、オランダチームの練習時間が短くなってしまい、実は決勝前はナーバスな雰囲気もありました。しかし、ゲームが進んでイギリスと10点差が開いたころ、ベンチの雰囲気はうって変わって和やかなものになって、私もほっとしました。
試合の合間に開かれた子供向け交流イベントでは、司会を担当しました。イベントに向けて何度も練習したので、人前で英語を話すことに自信を持てる機会になったと思います。選手の言葉をそのまま訳してしまうと、誤解を招くと感じたときは、相手に合わせて言い方を変えて伝えるようにしました。英語の力はもちろんですが、通訳には日本語の力も必要なんだなと感じた瞬間でした。
学生たちは各チームのサポートを行う他、開会式や閉会式、交流イベントの通訳も担当しました。大会終了後には、各国の選手たちが集うパーティーが予定されており、その司会を任されているそう。「選手の帰国を見届けるまでがんばります!」と力強い言葉をもらいました。
来日した選手たちと同じホテルに泊まり、共同生活を送っていた学生たち。お話を伺いながら、ホテル滞在中の様子も非常に気になりました。チャンスがあればぜひ取材したいです!