チーム山口学園で作り上げた、文化交流の場。
アイハウス(i house)の愛称で親しまれている、(公財)大阪国際交流センター(Osaka International House Foundation)。ここでは、毎年「アイハウス de 多文化体験」が開催されています。留学生や外国人の住民が主体となり、それぞれの自国文化を紹介するなかで、「多文化共生」を地域に広げていく試みです。山口学園の学生たちは2015年の第1回から参加。今回も中国とミャンマーの留学生による2チームがエントリーし、中国の芝居やミャンマーのお祭り、食文化についての発表を行うことに。また発表者だけではなく、イベントのサポートスタッフとしても山口学園の学生たちが参加しました。
企画や小道具の制作・手配、スライド・レジュメの作成など、プログラム準備を担うのはすべて学生たち。本番に向け、春から入念に準備を進めてきました。中国チーム・ミャンマーチームは合同でリハーサルを行い、全員でフィードバックをしたり、アイデアを出し合ったり、国の垣根を越えて「チーム山口学園」として一緒に作り上げてきました。今回は、本番の様子に加え、学生のみなさんに伺ったプログラムの制作エピソードもご紹介します。
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まずは中国チームのプログラムから。周さんは、昨年に続き2度目の参加です。西遊記を題材に前半はお芝居の解説。さらに孫悟空などの登場人物の顔が描かれたシートに、実際に塗り絵をしながらその独特の意匠に触れていきます。
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周さんが大の京劇好きの祖父から借りてきた舞台衣装。衣装を着たお子さんは「ちょっと重い」と言いながらも、高揚感たっぷりにカメラの前でポーズをとっていました。
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後半は、周さんお手製の芝居道具を使って、実際に西遊記のワンシーンを演じます。日本語に翻訳されたセリフがスライドに表示されます。
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ユーモア溢れるセリフに会場内は大爆笑。終始和やかムードで中国チームのプログラムが終了しました。
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ミャンマーチームの発表者は、エーさん。この日は、伝統的な衣装を着用して登場しました。まずは、各地のお祭り紹介からスタート。
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日常生活や食事についてなどを学んだあとはクイズタイム。サポーターの笠間さんと山口さんが、クイズ出題者としてプログラムの後半を盛り上げます。
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ミャンマーに行ったことのある参加者から、クイズに関連した豆知識が飛び出し、全員が思わず聞き入ってしまう場面もありました。
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今回試食として配ったミャンマーの食べ物、お茶の葉(ラぺ)と豆。エーさんは各テーブルにまわり、食べ物の感想を聞いたり、疑問点に答えたり。参加者との交流を思う存分楽しんでいました。
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この日行われた全プログラムが終了しました。最後は、会場にいる全員で「幸せなら手をたたこう」を合唱!マイクリレーをしながら、日本語・英語・中国語・韓国語・ポルトガル語などそれぞれの母国語で歌い上げました。
しゅう せいか
周 青華さん
ECCコンピュータ専門学校
Webデザインコース 2年
- 今回のボランティアで難しかったこと
- 子どもの頃から芝居が好きで、多くの人に芝居の面白さを伝えたいと思い参加を決めました。昨年に続き、2度目の参加です。
今回は特に、時間配分が難しかったです。想像していたよりもお面の色塗りに時間がかかっていたので、スケジュールを変更しながら臨機応変に進めました。
昨年とは変化を付けたい・良い仕上がりにしたいと思い、今年は小道具のカラーバリエーションを増やしたんです。春休みから準備をスタートさせ、その間に制作しました。
準備期間も本番も、サポート役のみんなに本当に助けられました。今日参加者のみなさんと演じた西遊記のセリフは、学生スタッフの田中さんに翻訳してもらったのですが、こんな言い回しがあるんだなと、興味深い日本語を知る機会になりました。
植田 まゆさん
ECC国際外語専門学校
海外インターンシップコース 1年
- 活動中に心がけていたこと
- 社会貢献センターの面談でこの活動のことを知って楽しそうだなと思い、先生からのオススメもあって参加を決めました。ボランティア自体が初めてだったので戸惑いもありましたが、プログラムが進むにつれて教室の雰囲気が和んできたのでホッとしました。
本番中は笑顔を絶やさず、困っている方がいたらすぐに声を掛けるなど、気持ちよくプログラムに取り組んでいただけるよう、おもてなしの心を大切にした対応を意識していました。
今後は、国際交流ができる活動や、小さい子どもたちと触れ合える活動に参加してみたいと思っています!
インインエー
Yin Yin Ayeさん
ECC国際外語専門学校
国際ビジネスコース 1年
- 準備段階で苦労したこと
- 同じコースの友人に誘われたのが最初のきっかけなのですが、さまざまな国の文化を体験できること、また自分の国のことを伝える絶好の機会だと思ったので参加しました。
実は、試食用の食材確保がとても大変で、豆は大阪の専門料理店で、一番食べてほしかったプレーンなお茶の葉(ラペ)は大阪に無かったので、関東の友人にわざわざ送ってもらいました。
リハーサルのたびに時間が余ってしまったので、スライドのページ数を増やしたり、ミャンマー語の挨拶を練習するパートを追加するなど、さまざまな改良を加えました。今日は、これまで自分が経験した中で最も満足のいくプレゼンテーションができたと思います。
これからは、日本の文化を体験できる盆踊り大会などのボランティア活動にも挑戦していきたいです!
笠間 優大さん
ECC国際外語専門学校
海外インターンシップコース 1年
- 今回のボランティアで難しかったこと
- 担任の柄澤りり先生の勧めで参加を決めました。私はサポート役でしたが、準備にも積極的に協力し、チームみんなで力を合わせて取り組んできました。
本番では、クイズの出題者も担当しました。最初の頃はシーンとなる空白の時間ができてしまって内心焦っていたのですが、クイズが進むにつれ、回答する方の発話のタイミングや表情を見ながら明るく進めていけるようになりました。
私は留学していたこともあり、海外の方とコミュニケーションをとるのが大好きなんです。いつも発見があり、話していると本当に楽しいです。
次はロザン・菅さん(MBSテレビ『ちちんぷいぷい』の道案内コーナーに登場するお笑いコンビ)みたいに道案内をするボランティアに参加したいと思っています。
山口学園のみなさんに担当いただくプログラムはいつも完成度が高いです。来場者の中には子どもも多いので、世代の近い学生さんたちが考えたプログラムはより楽しんでいただけると思います。来年は、北欧やアメリカ、アフリカ、ラテンアフリカなど、バラエティ豊かなプログラムもお待ちしております!
公益財団法人 大阪国際交流センター
専門職員 長島 美紀様
今年の「アイハウス de 多文化体験」に参加したのは2組でしたが、実はもう1組、ベトナムチームの参加も予定されていました。発表者の外国人学生が都合により急遽帰国しないといけなくなったため、残念ながら不参加という判断をされました。しかし、学生同士の打ち合わせを経て、企画は完成しているそう。次回はぜひ私も見てみたいです!