留学生たちの「もう一つの居場所」。
「キッズプラザ大阪」は、子どもたちが遊びの中で学んでいく体験型施設。多様な世代のボランティアがその運営を支えています。山口学園の留学生たちも、通訳ボランティアとして参加を続けてきました。
通年で活動するということもあり、ボランティア同士で交流を深めていけるのもこのボランティアの特徴。休憩時間や活動後のふりかえりの時間などでお互いの話をしたり、大阪のまち情報を交換したり、時には就職活動の相談にも。ボランティアを統括するコーディネーターの方によれば、この活動を「もう一つの居場所」にしている学生も多いそう。理解あるスタッフが多いため、日本語力向上のために活用できるのもポイントです。そんなキッズプラザ大阪の活動を覗いてみました。
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毛(モウ)さんは中国出身。大人気の「人が入れるしゃぼん玉」コーナーを担当。
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誘導や説明もすべて日本語で行います。初めて会う相手とコミュニケーションは、日本語スキルの向上にも繋がります。
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今回初めて文化コーナーを担当する、袁(エン)さん。まずは、ベテランのボランティアさんから楽器やおもちゃの使い方を学びます。
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お猪口のような入れ物に玉を乗せるけん玉の一種。子どもたちのレクチャーの前に、一度体験してみます。とっても楽しそう!
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これまで学んだことを活用しながらコミュニケーション。子ども向けの日本語を知る機会にもなっています。
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他のボランティアさんも駆けつけ、けん玉コーナーは大盛況!この後も民族楽器を一緒に演奏するなど、さらに楽しいひとときに。
エン シシュウ
袁 子秋さん
ECC国際外語専門学校
日本語学科・大学進学コース
- 活動には慣れてきましたか?
- 今日で4回目の活動になります。最近は大人と子どもとで日本語を使い分けられるようになってきました。例えば、消毒をお願いする時、大人には「消毒してください」と言いますが、子どもには「シュッシュするよ~」と言う風に伝えています。相手によって言い方を変えることができるようになって、日本語が上達してきたなと実感しています。
- ボランティアの楽しいところ
- 日本に来て、初めてチャレンジしたのがこのボランティアでした。
楽器を叩いたり、ジェスチャーでコミュニケーションすることも多いので、子どもに遊び方を説明する時が一番楽しいです。
将来はグローバルに働きたいと思っているので、子どもたちと遊びながら私自身も色々な国の文化を学んでいけたら良いなと思っています。
モウ シン
毛 晨さん
ECC国際外語専門学校
日本語学科・大学進学コース
- ボランティアの難しいところ
- 日本語の力を上げたいと思って参加を決めました。活動中も積極的に話しかけるようにしています。
子どもたちに質問されたとき、うまく答えられないことが何度かあって…言っていることもわかるし、答えも自分の頭の中にはあるんですが、それに合う日本語が出てこなくて、とても悔しい思いをしました。今度は答えてあげられるように頑張りたいです。 - この活動のおすすめポイント
- スタッフのみなさんが本当に優しくて、うまく言えないときも助けてくれるので、のびのびと日本語を話すことができます。対話を通して、今まで知らなかった日本語に触れることができるだけではなく、新たに覚えた言葉をその場ですぐに使ってみたり、とても良い実践の場になっています。
みなさんにとっての「安心できる居場所」になったら良いなという思いを込めて、環境づくりをしています。一緒に活動するボランティアさんは、学生さんの親世代の方が多く、優しくて話しやすい方ばかりです。
ネイティブな日本語や、大阪のまち情報など、学校とはひと味違った知識を深めることもできますよ。
キッズプラザ大阪
企画チーフ兼ボランティアコーディネーター
岩下様
取材を終えて、「スタッフのみんなが優しい」と学生二人が口を揃えて言っていたことに、深く納得。山口学園の卒業生で、就職後も仕事の合間に通訳ボランティアを続けている方もいるのだとか。
留学生にとって、こうしたサードプレイスが身近にあることは大切なことだなと再確認しました。