福祉施設のメイクアップ講座
兵庫県西宮市にある[地域活動支援センターうらら]は障がいをもつ人をサポートする施設。利用者の大半が男性のため、女性の利用者が気軽に集えるよう、この度「うらら女子倶楽部」を始めました。その記念すべき第1回のプログラムに招かれたのが、ECCアーティスト美容専門学校の学生ボランティア。前回メイクアップレッスンが好評だった障がい者福祉施設[わかば]に続き、今回も利用者さんたちの心をぎゅっと掴んだ学生たちのパフォーマンスをレポートします。
「今日はどんなメイクをしたいですか」「使ってみたいお色はありますか」。参加したのはヘアメイクコースの学生3名。鏡の前に座った利用者さんに積極的に声をかけながら場の雰囲気を和らげると、骨格や肌のトーンを瞬時に判断。その人の好みや持ち味を生かしたメイクを提案していきました。
「今日はどんなメイクをしたいですか」「使ってみたいお色はありますか」。参加したのはヘアメイクコースの学生3名。鏡の前に座った利用者さんに積極的に声をかけながら場の雰囲気を和らげると、骨格や肌のトーンを瞬時に判断。その人の好みや持ち味を生かしたメイクを提案していきました。
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「プロの方にメイクをしていただくのは2,30年ぶり」と、緊張感と嬉しさの入り混じる利用者さん。眉毛の描き方やシワを目立ちにくくする方法など質問に応じて丁寧にアドバイス。
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「ナチュラルなお色が似合いそうですね」。取り出したのは秋色のパレット。その人の持ち味が引き立つ色をご提案していきます。
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黒髪と白い肌に落ち着いた秋色のメイク。「キラキラしたのはお好きですか?」。アクセントのラメに思わず利用者さんの笑顔がほころびます。
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色をひとつ乗せるたびにふんわり華やいでいく表情に、スタッフの伊達さんも嬉しくて仕方がない様子。
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その人の雰囲気や髪質を生かせる髪型をご提案。「癖毛が嫌だったけれど、それを生かせる方法を教えてもらえて嬉しいです」という感想をいただきました。
最初はドキドキ硬い顔つきだった利用者さんも、施術が始まると次第に表情がニコニコ変わり始め、部屋中がワクワク感で満たされていきました。技術や知識は勿論ですが、何より学生のみなさんのコミュニケーション力が素晴らしい。そばで見ていた私も、とても幸せなひと時を過ごさせていただきました。ありがとうございました。男性女性に関わらず「かわる」というのは楽しい体験なんだなと実感しました。
(伊達さん)
地域活動支援センターうらら
施設長 藤本貴士さん(写真左)、
伊達由美子さん(写真右)
熊倉麻実さん
ECCアーティスト美容専門学校
ヘアメイクコース3年
- この活動で心がけたこと。
- 前回の[わかば]に参加してすごく喜んでもらえたのが嬉しくて。今日は家に帰ってご自身でもできるようなメイクの提案やアドバイスなど、コミュニケーションをしっかり取るよう心掛けました。お色を乗せるたびに喜びの反応をいただけて嬉しかったです。これから美容師として幅広い年齢層の方に対応していけるよう、提案力やコミュニケーションの力を益々磨いていきたいです。
川道穂乃香さん
ECCアーティスト美容専門学校
ヘアメイクコース3年
- 今後に生かしたい課題は?
- メイクをしてもらうのが数十年ぶりという方もいらっしゃって、私の力で喜んでもらえたことがもう嬉しくて、最高です。その人の骨格や雰囲気を見ながら、一番可愛く見えるようなヘアメイクを目指しました。お話をしながら、その方の意思や意図を探っていくので、その方がなりたいヘアメイクに近づけるよう、技術力も会話力ももっと上げていきたい。色んな人を笑顔にできるよう、練習を怠らないように頑張ります。
“かわる”という体験。メイクアップされた利用者さんの表情だけでなく、場の雰囲気までもが明るく華やかに塗り替えられました。メイクアップの技術もだけど、丁寧に一つ一つの色を重ねていくように、さりげない一言や小さな気遣いという相手への思いやりがあってこそ、メイクは自尊心を高めるセラピーのような効果を発揮するのだと感じました。